秋田県と岩手県をつなぐ名山八幡平のライン
「八幡平アスピーテライン」は、東北地方の北部に位置している秋田県と岩手県の間をつなぐ山中を走行する道路です。
位置的にはちょうど秋田県と岩手県の県境近くの内陸部にあり、岩手県側にある八幡平から秋田県のトロコ温泉までを縫うように敷かれています。
県境にある見返峠をはさむ形となっていて、東側に抜けるときには高山植物であるアオモリトドマツの樹海が並ぶ景色が見られます。
アスピーテラインと樹海ラインをあわせて松尾八幡平というふうにも呼ばれており、東北地域屈指の名ルートとしてもよく知られているところです。
アスピーテラインに入るためには東北自動車道より松尾八幡平I.C.から県道43号線に入っていきます。
そこから県道23号に入っていくことですぐに八幡平アスピーテラインに至るので、特にカーナビなどに頼らなくても簡単にたどり着くことができるのではないかと思います。
なお「アスピーテ」というのは火山の方式の一つで、別名「楯状火山」とも呼ばれます。
これは古代西洋の武器である盾の形に似ていることからその名前がつけられました。
国内で同様のアスピーテ式火山地形をしているのは八幡平の他、山形県の月山があります。
八幡平アスピーテラインは標高1600mを超える山岳地帯を通行する道路となっていることから、岩手山を一望する山岳風景が一番の魅力です。
道路の全長は約47kmとかなり長く、途中に広がる樹海の景色はかなりの迫力があり四季を通じて全く違った景色を見せてくれます。
冬季間にはかなりの積雪となることから毎年一定期間通行止めとなりますが、山開きとなる4月中旬かは「雪の回廊」と言われる左右を雪の壁で覆われた独特の景観を目にすることができます。
火山地域ならではの温泉めぐりも魅力
八幡平周辺は古くからの温泉郷ということもあり、数多くの温泉が今も営業しています。
秋田県側から八幡平アスピーテラインに入っていると、標高1000mを超えるくらいから硫黄の匂いが周辺に漂い始めます。
深い山中道路の中からもうもうと湯気が立っている景色はまさに山深い温泉郷という感じで、そのひなびた景色は東北ツーリングの醍醐味の一つになっています。
おすすめの温泉としてはまず藤七温泉があります。
こちらはまさに樹海ラインの途中にある八幡平山頂付近の温泉で、東日本で最も高い場所にある温泉としても知られます。
混浴の露天風呂があり、日帰り温泉として利用をすることも可能なのでツーリング途中の体を休める場所としてもおすすめです。
秋田県側にある温泉としては「蒸ノ湯(ふけのゆ)」です。
こちらは木造の独特の建物を使った混浴露天風呂となっていて、屋内は男女別に利用をすることができます。