どこまでも続くと思える直線道路のエサヌカ線
「エサヌカ線」とは、北海道の北部に位置しているオホーツク海に面したまっすぐに伸びる一本道のことです。
よく北海道ツーリングの旅行カタログなどで集中線が中心で消失するかのような直線道路の写真が見られますが、まさにその景色がこのエサヌカ線にはあります。
具体的に言うとエサヌカ線があるのは北海道宗谷郡猿払村浅茅野台地にある舗装道路で、位置的には北海道最北端にある稚内から東側の海岸沿いに向かったところです。
最北端の宗谷岬まで通じる国道238号線の途中にありますが、道路自体は幹線道路というわけではなく非常に目立たないところにありますので訪れるときにはしっかり位置を確認してから交差点を確実に曲がるようにしておきたいところです。
エサヌカ線は一応は海岸線に沿った道路であるものの、海岸線が間近にあるというわけでもないので道路からは海というよりも広々とした大地の風景が見られます。
途中に見えるオホーツク海も周囲に丘や防波堤のないまっすぐな砂浜であるためまさに写真で見るような地平線と消失していく直線道路の様子を目の当たりにすることができます。
なおこのエサヌカ線はバスなど公共交通機関は通行していませんので、北海道観光として訪れる場合は自分で自動車もしくはバイクを運転するか、タクシーなどをチャーターする必要があります。
途中には店どころか建物らしいものもほとんど見ることができませんので、ただひたすらに真っ直ぐに続く道路を走行したいという人には一度体験をしてもらいたい場所と言えます。
エサヌカ線は浜猿払から南側に約4.2km進んだところから入り、そこから内陸に向かって約8.4kmの行程となっています。
途中には信号も交差点も何もないので、ぜひ景観を思う存分独り占めしてみてください。
天候がよければ逃水現象が見られるかも
そもそもなぜこんなにも真っ直ぐな道路が作られたかというと、1970年代半ば頃の農業経営の安定化事業が関連しています。
当時この地域では農業開発が急速に行われており、耕地面積を広げていくためにいくつか農道がつくられたという経緯があります。
その時の一本がエサヌカ線ということです。
途中には特に立ち寄るスポットのないまさに自然のみの絶景スポットということになりますが、天候により「逃水現象」に遭遇する可能性があります。
「逃水現象」というのは文字通り遠くに水のようなものが見えるのにどこまで行っても追いつくことができないということを言います。
逃水現象が出るのは風がなく、晴れた暑い日でアスファルトの地面の遠方にうっすらと水のようなたまりが見えるようになります。
まっすぐな道路の向こうに見える逃水現象はひときわ迫力がありますので夏場のツーリングではぜひ注目してみてください。